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「青の画家」佐々木宏子さん作品展-奥沢の期間限定ギャラリーで

時代のテーマとも言える「無意識的な自然と意識的なもの」を150号の大作で表現した「青のあいだ」新作群と、画家で現代美術家の佐々木宏子さん

時代のテーマとも言える「無意識的な自然と意識的なもの」を150号の大作で表現した「青のあいだ」新作群と、画家で現代美術家の佐々木宏子さん

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 東急目黒線・奥沢駅近くのギャラリー「OKUSAWA CONTEMPORARY ART AND DESIGN DOCUMENTS」(世田谷区奥沢3)で現在、「UNCONSCIOUS NATURE AND CONSCIOUS OBJECT」展が開かれている。

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 現代美術の啓発を目的に「ジャンルを超えてコンテンポラリーな美術、デザイン、建築の全てを提示」する同ギャラリー。昨年3月のオープンから1年間限定の運営で、各分野で活躍する作家とその作品を紹介してきた。最終回となる同展では、ギャラリー監修を務めてきた、画家で現代美術家・佐々木宏子さんの平面作品群「青のあいだ」から150号サイズの大作5点を展示する。

 1944(昭和19)年東京・世田谷生まれの佐々木さんは、女子美術大学付属中学・高校を経て同大洋画科を卒業。在学時に出合ったイタリアの前衛芸術家フォンタナの作品「空間概念」に触発され、無から有を感じる日本人の美の哲学を絵で表現したいと、1972(昭和47)年にライフワークとなる青のあいだ「青・玄」を完成。1977(昭和52)年に初個展「青のあいだ」の作品群と小論文「青の精神」を発表し、同論文で「青のあいだ-無意識的な自然と意識的なもの」と独自の芸術論を語った。

 以来40年以上にわたって、無限の象徴であり深い精神を表すのに最も適した色と考える「青」でモノクロームの空間を追求し続けてきた佐々木さん。今回展示された新作群も、コバルトブルーがいくつもの層のように広がり、約7坪の同ギャラリーに入ると青の空間に包み込まれるような感覚を覚える。

 「計算できない偶然性を意識的に取り込んだ」と佐々木さんが話すこれらの作品は日本画の技法「たらし込み」をベースに、コバルトブルーの絵の具顔料を筆は使わずにキャンバスへ流すようにして描いていくという。「美術と音楽と科学は同じ構造」と考える佐々木さんは、一つ一つの音がはっきりとしている「粒立ち」と同様、「至近距離で作品を見ていただくことでマチエル(顔料)の粒立ちを感じてもらえたら」とも。

 期間中、佐々木さんと関わりの深いゲストを招いてのギャラリートーク(23日16時30分~17時、17時~18時)をユーストリームで配信する。ゲストは「神の手を持つ」と呼ばれる世界的心臓外科医の須磨久善さん、前・曹洞(そうとう)宗北アメリカ国際布教総監で「スティーブ・ジョブズと北アメリカの禅」講演などで知られる秋葉玄吾老師(予定)。

 開催時間は12時~18時。日曜・月曜定休。3月2日まで。

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