企業の睡眠改善を支援する株式会社ニューロスペース(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:小林孝徳、以下「ニューロスペース」)は、三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:フランツィスカ・クスマノ、以下「三菱ふそうトラック・バス」)と、企業における睡眠改善・健康経営をテーマとした共催セミナーを開催しました。

当日は、三菱ふそうトラック・バス株式会社 統括産業医の小笠原氏にご登壇いただき、同社が2025年から健康経営における重要課題の一つとして進めてきた「睡眠施策」について、取り組み開始の背景から、課題の可視化、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング、睡眠セミナー、効果検証、職種別施策、そして今後の展望まで、具体的な事例をご紹介いただきました。
セミナー後半では、ニューロスペース 小林孝徳を交えたパネルディスカッションも実施。参加者から寄せられた質問をもとに、「健康施策を単発で終わらせないためにはどうすればよいか」「従業員に睡眠の重要性をどう伝えるか」「SAS対策を企業としてどう進めるか」など、企業の人事・健康経営・産業保健担当者が直面する実務的なテーマについて議論しました。
■ アーカイブ動画・解説記事の公開について
本セミナーの内容は、以下の形で公開いたします。産業保健職・人事担当者の皆様の実務にご活用いただければ幸いです。
●解説記事
睡眠を「個人の生活習慣」から「組織の安全・健康戦略」へ――三菱ふそうトラック・バスの実践に学ぶ睡眠施策
●アーカイブ動画
https://www.youtube.com/watch?v=-yMQ8lvVNPw
■ 睡眠を「健康・メンタルヘルス・安全・生産性」を横断する経営課題として捉える

三菱ふそうトラック・バスでは、2023年から健康経営を本格的にスタートし、「高ストレス」と「高血圧」を重要な健康課題として設定してきました。
各種健診やストレスチェック等のデータを分析する中で、睡眠が高ストレス・高血圧の双方と関連の強い項目であることが確認されました。また、複数の健康KPIを設定して取り組んだ結果、他の項目では改善が見られた一方、睡眠に関するKPIは目標未達となったことから、2025年より睡眠を重点的なテーマとして取り組むことになりました。
小笠原氏は、睡眠について身体的な健康だけの問題ではなく、
「メンタルヘルス」「安全」「日中のパフォーマンス」を横断する基盤的なテーマ
として位置付けていると説明しました。
特に、トラック・バスの製造・販売・整備など幅広い業務を担う同社にとって、日中の眠気や集中力低下は、従業員の健康だけでなく安全や生産性にも直結する重要なテーマです。
■ まずは「自社の睡眠課題」を見える化。従業員の高い関心も明らかに

最初のステップとして実施したのが、従業員を対象とした睡眠に関するアンケートです。
約9,000名の従業員のうち約900名から回答があり、それまで健康関連アンケートでは100~200名程度だった回答数と比較して、大幅に多くの従業員が参加しました。
また、睡眠に満足していると回答した割合は約59%でした。
さらに、職場によってニーズにも違いがあり、本社・メーカー機能を担う従業員では「睡眠についての知識を得たい」というニーズが多い一方、販売店などでは「就業環境や睡眠環境そのものを改善してほしい」といった声が多いことも明らかになりました。
こうした調査結果を踏まえ、同社ではニューロスペースと連携し、単に睡眠セミナーを開催するだけではなく、
課題の可視化 → スクリーニング → 教育 → 行動変容 → 効果検証
というサイクルを設計しました。
■ 睡眠時無呼吸症候群サーベイには2,500名超が回答。「安全・命に関わるリスク」から優先的に着手

睡眠に関するさまざまな課題の中から、最初に重点的に取り組んだテーマの一つが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)でした。同社では、「安全や命に関わり得るリスクから優先して対応する」という観点から、ニューロスペースの睡眠時無呼吸症候群サーベイを実施。
約9,000名の従業員のうち2,500名を超える回答が集まり、睡眠に対する従業員の関心の高さが改めて確認されました。
また、個人の回答結果についてはニューロスペースのみが閲覧し、会社側では閲覧・保存しない仕組みとするなど、個人情報保護にも配慮した形で実施されました。
調査の結果、同社ではSAS高リスク者の割合についても、新たに取り組むべき課題として認識。調査で課題を発見して終わるのではなく、その結果を次の教育・啓発施策へつなげています。
■ 「睡眠は技術」。知識提供だけではなく、具体的な行動へ


SASサーベイの結果などを踏まえ、ニューロスペース代表の小林が「睡眠は技術」をテーマに睡眠セミナーを実施しました。
セミナーでは、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」などを踏まえた睡眠の基礎知識に加え、日常生活の中ですぐに実践できる「睡眠の12の技術」などを紹介。
「何時間眠ればよいか」という知識だけではなく、
- 就寝前に心身をリラックスさせる
- 朝に光を浴びる
- 夕方以降のカフェインを控える
- アルコールとの付き合い方を見直す
- ベッドの中でのスマートフォン利用を控える
- 運動習慣を取り入れる
など、従業員一人ひとりが実際の行動へ落とし込める内容を重視しました。
また、全社メール、社内テレビ、デジタルサイネージ、ポスター、Teamsなど複数のチャネルを活用し、開催したセミナーについては録画・オンデマンド化するなど、従業員との接点を増やす工夫も行われています。
■ 睡眠休養感は59%から63.9%へ

一連の取り組みを進める中で、同社の睡眠休養感の指標にも変化が見られました。
睡眠に関する取り組み開始前には約59%だった睡眠休養感の指標が、1年間で63.9%まで上昇しました。さらに重要なのは、この結果を健康管理部門だけで留めなかったことです。
改善状況や取り組みの成果を経営層へ報告し、2026年のさらなる睡眠施策だけでなく、2028年、2030年といった中期的な健康経営の姿やKPIまで示すことで、継続的な施策への理解につなげています。
■ 2026年は「見える化」から「行動変容」へ
2026年には、ニューロスペースの睡眠チェック「MySleep」を実施。
その結果をもとに、自社の中で睡眠状態の良い従業員に共通する生活習慣や、自社特有の睡眠課題を従業員へフィードバックしました。
さらに、業務特性に応じた睡眠研修にも発展。

運転に関わる業務では、数秒間の無意識の睡眠「マイクロスリープ」をテーマとした研修を実施し、三菱ふそうトラック・バスの社員だけでなく、車両運搬などに関わる協力会社の方々にも参加いただきました。
製造現場の従業員向けにも睡眠セミナーを実施するなど、全社員に同じ教育を提供するのではなく、職種や業務上のリスクに応じた睡眠対策へと進化しています。
■ 従業員本人だけでなく、「家族」「ふそうで働くすべての人」へ

今後は対象範囲をさらに広げる予定です。
2026年10月には、MySleepの対象を従業員だけでなく同居する家族にも拡大する計画が進められています。三菱ふそうトラック・バスでは健康経営宣言の中で「ふそうで働く人とその家族の心と体の健康づくり」を掲げており、ニューロスペースからも「睡眠改善は本人だけでは継続しにくく、家族の協力が改善の定着につながるのではないか」と提案。会社の健康経営方針と実際の施策を連動させた取り組みとして、家族を巻き込んだ睡眠改善へと発展させています。
また、派遣社員や請負社員など、同社の事業所で働くさまざまな方々へのSASサーベイの拡大も検討されています。
■ 単発イベントで終わらせないために必要なのは「やってみる→検証→次につなげる」

パネルディスカッションでは、参加者から
「健康イベントを単発で終わらせず、効果検証のサイクルを作るにはどうすればよいか」
という質問が寄せられました。
小笠原氏は、施策を始める前に、
「何を課題として取り組むのか」「目指す姿は何か」「現在とのギャップは何か」
を整理することが重要だと説明。
すべての課題を一度に解決しようとするのではなく、まず実行できるものを一つ選択し、
やってみる → フィードバックを得る → 次の施策につなげる
というサイクルを繰り返すこと。そして、その過程自体を従業員や経営層に見せていくことが、継続的な健康施策につながると語りました。
■ 健康施策への参加を促すには「正しさ」だけでなく「楽しさ」も
「従業員の心に響く睡眠の伝え方」についての質問に対しては、各企業によって従業員が抱える課題は異なるため、まずは「何に困っているのか」を把握することが出発点になるとの意見が示されました。
さらに、健康施策では「健康に良いからやる」だけではなく、ゲーム的な要素なども含め、従業員自身が楽しめる仕掛けも重要だと紹介されました。
三菱ふそうトラック・バスでは、各部門に「ヘルスプロモーションアンバサダー」を配置し、健康情報の社内浸透を推進しています。
さらに、部門独自の健康アクションを行った従業員を表彰する仕組みも設けており、行動を評価・承認することによって、健康づくりを継続する文化づくりにも取り組んでいます。
■ ニューロスペースは「測って終わり」ではない睡眠改善を支援
今回の三菱ふそうトラック・バス株式会社の事例では、
課題を可視化する
→ リスクを発見する
→ 従業員へ正しい知識と具体的な解決方法を届ける
→ 行動変容を促す
→ 効果を検証する
→ 経営層へ共有し、次の施策につなげる
という一連のサイクルが実践されています。
企業の睡眠対策は、単発の睡眠セミナーを開催するだけでは十分とはいえません。
ニューロスペースでは、睡眠時無呼吸症候群サーベイ、睡眠チェックMySleepをはじめとした睡眠課題の可視化から、睡眠セミナー、職種別研修、個人への改善支援まで、企業ごとの課題に合わせた睡眠改善施策を支援しています。
今後もニューロスペースは、企業の人事・健康経営・産業保健担当者の皆様とともに、従業員一人ひとりがより良い睡眠を実現し、労働安全衛生、メンタル不調予防、生産性向上へとつながる職場づくりを支援してまいります。
■ 登壇者コメント
人事本部コーポレート安全・健康・セキュリティ部統括産業医 小笠原 隆将 様

今回のセミナーでは、当社が健康経営の中で進めてきた睡眠に関する取り組みについて、これまでの経緯や実際に見えてきた課題、今後の展望をご紹介させていただきました。
当社では、睡眠を単なる「睡眠時間」の問題としてではなく、身体の健康やメンタルヘルス、安全、そして日中のパフォーマンスにも関わる、働く人にとって基盤となるテーマの一つと捉えています。
2025年から取り組みを本格化し、まずは自社の課題を見える化するところから始め、SASのスクリーニング、睡眠に関する教育、結果のフィードバック、さらに次の施策へとつなげてきました。大切なのは、一度セミナーやサーベイを実施して終わるのではなく、「やってみる、結果を確認する、次につなげる」というサイクルを継続していくことだと感じています。
今後は従業員本人だけでなく、ご家族や当社でともに働くさまざまな方々にも対象を広げながら、三菱ふそうに関わるすべての人々の健康とウェルビーイングを後押しできる取り組みに発展させていきたいと考えています。
株式会社ニューロスペース 代表取締役社長 小林孝徳

三菱ふそうトラック・バス様には弊社が基本とする厚生労働省が推奨する睡眠ガイド2023に基づいて、疾病罹患型の睡眠休養感欠如者を先に対応された後にヘルスケアサービスである睡眠セミナーなどを実施頂き、多くの従業員様にご利用頂き同時に睡眠改善を実現することができました。お取り組みで特に素晴らしいと感じているのは、睡眠施策を単発の健康イベントとして終わらせず、データをもとに課題を可視化し、施策を実施し、その結果を検証して次のアクションへつなげるというサイクルを継続されている点です。
実際に、SASサーベイには2,500名を超える従業員の皆様が回答され、睡眠休養感についても約59%から63.9%へと改善が見られました。これは、従業員の皆様の睡眠に対する関心の高さとともに、継続的に取り組むことの重要性を示す非常に意義深い事例だと考えています。さらに、現在は全社一律の施策から、運転業務や製造現場など職種ごとの課題に合わせた睡眠教育へと発展し、今後はご家族や協力会社の皆様まで対象を広げようとされています。
ニューロスペースとしても、「測って終わり」「学んで終わり」ではなく、一人ひとりの具体的な行動変容と企業全体の健康・安全・パフォーマンス向上につながる睡眠施策を、今後も三菱ふそうトラック・バス様とともに推進してまいります。
■最後に
今後もニューロスペースは睡眠の専門機関として、人々の睡眠課題の改善を通じて、労働安全衛生、メンタル不調予防、生産性向上そして健康経営の推進を支援していきます。
睡眠施策の実施にご関心のある企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問合せ先
本件に関するお問合せは、以下よりご連絡ください。
https://www.neurospace.jp/contact
■会社概要
会社名:株式会社ニューロスペース
所在地:東京都墨田区横川1丁目16-3 横川倉庫2F センターオブガレージ
代表者:代表取締役社長 小林孝徳
設立:2013年12月
事業内容:睡眠を軸とした企業の健康経営支援および睡眠ビジネス構築支援
URL:https://neurospace.jp/



