アーティストKen Higakiさんによる個展「Tadpoles(タッドポールズ)」が現在、自由が丘駅前のコンテンポラリーアートギャラリー「DIGINNER GALLERY(ディギナー・ギャラリー)」(目黒区自由が丘1、TEL 03-6421-1517)で開かれている。
個展「Tadpoles(タッドポールズ)」から作品名「Threshold」(2026)
Higakiさんは香川県出身で、現在は米ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト。伝統的なベネチア絵画の技法を取り入れた具象絵画の画風で、肉体、緊張、演劇的な構図を強調した作品から「人間の行動の奥に潜む脆(もろ)さと激しさ」を描いてきた。
日本初となる個展の展名「Tadpoles」は、英語で「オタマジャクシ」を意味する。Higakiさんは幼少期を香川県丸亀市で過ごし、田園地帯の水路に集まる生き物たちに触れていた。その後、米オレゴン州ポートランドへ移住。そこで目にしたオタマジャクシの群れに幼い日の記憶が蘇り、Higakiさんのアイデンティティーを形作る風景になったという。
同展では、幼少期の記憶と渡米後の経験が重なり合う様子をオタマジャクシという「まだ変化の途中にある存在」をモチーフにした作品を展示する。
作品について、同ギャラリー店主の鈴木宏信さんは「幼少期の静かな記憶と、圧倒的な量感を持つ男性の身体が、同じ画面の中に置かれている。ベネチア絵画を思わせる写実的な肉体の下を、日本の漫画文化を想起させるキャラクターやオタマジャクシ、昆虫、両生類が漂う。一見すると相いれないが、一つの風景として共存している」と話す。
「(Higakiさんの)幼少期の無垢(むく)さ、移住後に身につけた強さ、傷つきやすさと抵抗する身体、日本とアメリカの記憶。これらが互いを排除することなく並んでいる。古典絵画や漫画を借りながら、きわめて個人的な経験を語っている」とも。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。月曜定休。8月30日まで。