リリース発行企業:JNTLコンシューマーヘルス株式会社


国立大学法人広島大学とマウスウォッシュ「リステリン(R)」を展開するKenvue(JNTLコンシューマーヘルス株式会社、以下:Kenvue)は、2026年9月8日(火)、広島大学 霞キャンパスにて、入院患者約5,000人を対象とした「セルフオーラルケア」による感染症予防の研究成果発表会を開催いたしました。
本イベントの冒頭は、広島大学病院 安達伸生 病院長が登壇し、「当院は、高度急性期医療を担う大学病院として、治療そのものだけではなく、入院中の合併症を防ぎ、患者さんがより良い状態で退院できる環境を作ることも重要な役割だと考えています」と述べた後、その使命を果たすべく、医科歯科連携を基盤として生まれた本研究について「約5,000人規模で検証した今回の研究は、患者参加型の感染症予防という観点で今後の医療に新しい可能性を示すものです」と説明しました。
続けて、谷本幸太郎 主席副病院長が、「当院で2010年に医科歯科連携を開始した当時は、月10名未満だった紹介患者数が16年以上の継続を経て、現在は月350名を超えています。これは、当院の医療者が、全身の治療の中で口腔を診る、という考え方を共有するようになった結果だと考えています」と、現在までの医科歯科連携の歩みを伝えた上で、現状についても「周術期口腔機能管理の診療実績においても、当院は全国の国立大学病院の中で非常に高い水準にあります」と、今回のような病院全体を対象とした大規模研究において、長年の医科歯科連携の基盤が重要であったことを、改めて説明しました。
続いて、柿本直也 歯学部長より、本取り組みの狙いと導入背景について説明がなされました。柿本氏は、まず医科歯科連携が目指すものとして「全身治療を支えるために口腔管理を行い、さらに、口腔の大切さを患者さん自身にも理解していただく。そして、自分に合った口腔管理の方法を身につけ、退院後もセルフケアを継続することに加えて、地域の歯科医療につなげていく。私たちが目指しているのは、こうした流れから実現する、口腔から健康を、という医療です」とコメント。
そして、研究の背景に関しては「参考になったのは、米国で2013年に始まった、看護師が患者さんの口腔ケアを行う、院内感染予防プログラム『HAPPEN(Hospital Acquired Pneumonia Prevention by Engaging Nurses)』です。まず看護師に口腔ケアの重要性や方法を教育し、看護師が患者さんに口腔ケアを行うことで、院内肺炎が37%減少したというデータがあります。これを日本の入院医療に合う形に発展できないかと考えました。そこでKenvueに協力を仰ぎ、海外事例や知見を共有いただきながら、教育の対象を医療者から患者さん自身へと移し、患者参加型のオーラルケアとして入院医療の中で検証することにしました」と述べました。
そして研究の詳細と成果については、今回の研究を主導した、口腔総合診療科 西裕美 診療講師より伝えられました。研究の詳細について、「今回の研究対象は、1週間以上入院する20歳以上の方であり、ご自身で口腔ケアができる患者さんでした。入院初日に歯科が病室を訪問し、口の状態を診察した上で、その方に必要なセルフケアの方法を説明いたしました。さらに、歯ブラシやマウスウォッシュ、そして口腔ケアの有効性などが記載されたパンフレットをセットにしてお渡ししました。この流れが実際に5分から10分程度の時間です。ポイントは、入院初日に方法とアイテムを整え、その後は患者さん自身に続けていただくことです」と述べ、約9か月間の取り組みで、約5,400名の病室を訪問し、そのうち4,893名の患者さんにプログラムを実施したことを明かしました。
研究の結果については、前年同期群と比較し、院内肺炎の発症率が相対的に約43%、菌血症は約62%低下したことを報告。さらに、これまで関連性が注目されていなかった尿路感染症についても発症率が相対的に約20%低下するという結果が得られた功績も発表。
また、西氏は、本研究において新規性のあるポイントが2つあると話し、詳細に関して「これまでの医療者による口腔ケアに加えて患者さん自身が参加し続けられる仕組みを作った点と、評価する感染症の範囲を肺炎だけでなく菌血症や尿路感染症まで広げた点が今回の研究の新しいポイントです」と述べました。さらに、今後の展望に関しても「今後は他施設での再現性や医療費・入院期間への影響も検証し、患者さんの健康を守るだけでなく限られた医療資源をより有効に活用できるかを明らかにしながら、『口腔から健康へ』つながる医療を社会へ広げていきたいです」と、日本の医療貢献への想いを語りました。
また、Kenvue メディカルアフェアーズ ディレクター 黒川弘規は、産学連携による研究支援とプログラムにおける役割について、「当社は米国で蓄積された知見の共有や、マウスウォッシュを含む用品提供を通じて、本研究を支援してきました。米国では、口腔ケアが医療現場における感染症予防に寄与する可能性を示すエビデンスが蓄積されている一方で、日本人を対象としたセルフオーラルケアのエビデンスはまだ限られており、課題であると感じております。HAPPENプログラムの考え方を日本で初めて導入した本研究は、マウスウォッシュを含むセルフオーラルケアの可能性を示した大変意義深い知見であり、今後の持続可能な医療や健康づくりに貢献するものと期待しています」とコメントし、「今後も、広島大学の先生方をはじめとする医療関係者の皆さまと連携しながら、人々のより良い健康づくりに貢献してまいります」と、これからの取り組みへの意気込みも述べました。
全ての発表終了後は、研究の過程や結果の詳細、具体的な口腔ケアの方法についてなど、発表内容を掘り下げる活発な質疑応答が行われ、盛会のうちに幕を閉じました。
両者は今後も、口腔ケアを通じた全身の健康維持と、持続可能な医療環境の実現に向けて貢献してまいります。








