自由が丘駅前の商業施設「JIYUGAOKA MUSE SQUARE(自由が丘ミューズスクエア)」(目黒区自由が丘1)が9月14日、報道陣に公開された。自由が丘一丁目29番地区市街地再開発組合と参加組合員のヒューリック(中央区)が東急東横線・大井町線自由が丘駅前で建設を進めていた複合施設のうちの商業施設で、開業は同17日。
「自由が丘ミューズスクエア」の建物をセットバックして道路を拡幅した補助幹線道路「補助127号線」部分
同再開発では、自由が丘駅北口・駅前広場に面した面積約5000平方メートルの事業区域に地上15階・地下3階建て、高さ約60メートルの商業・住宅(7~15階)・オフィス(6階)を融合した複合施設を整備した。
自由が丘は1927(昭和2)年、現在の東急東横線の駅が開設されたのをきっかけに、街として約100年の歴史を持つ。同施設を含む駅周辺地区は、そうした昭和初期に築いた都市基盤をベースに発展してきたことから整備面で遅れを取っており、特に狭い道路で自動車・歩行者交通に影響が出るなど、長年課題を抱えてきた。
今回の再開発では、細かく分かれていた約30の地権者の敷地を統合して建て替えを行い、歩行者道路は電柱をなくし、最大4メートルほどセットバックし道を拡幅したほか、地下には地域荷さばき場を整備。防災機能の強化など地域課題の解決にも取り組んだ。施設1階は南北に抜ける通路の役割も果たし、テナントの営業時間外も東急線の始発~終電の時間帯は開放し、通り抜けできる。
商業施設は地上1階~5階・地下1階で、店舗面積は約1万1000平方メートル。店舗数は59店舗。商業施設初出店や新業態店など、食やファッションなどの多様な店舗がそろう。
アンカーテナントは、高級スーパー「明治屋」の自由が丘初出店となる「明治屋自由が丘ストアー」(地下1階)、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開する時間制コワーキングスペースとスターバックスを融合させた「SHARE LOUNGE/STARBUCKS」(4階)。
併せて、同所で長年愛されてきた洋菓子店「自由が丘 モンブラン」(1階)、日本そば店「そば処 自由が丘 薮伊豆」(4階)、時計・眼鏡・宝飾サロン「自由が丘一誠堂」(1・2階)の3店舗が地権者として新装出店。ヒューリックが展開する教育複合施設「こどもでぱーと 自由が丘」(5階)が出店するほか、以前同所にあった「みずほ銀行」(6階)も出店する。
自由が丘商店街振興組合の前理事長で、同再開発理事長も務める岡田一弥さんは「全国の商店街が苦戦する中、 自由が丘は長い目で見れば右肩上がりを続けてきた街かもしれないが、バブル崩壊後の『失われた30年』の間にそれなりのダメージも受けてきた」と振り返り、「この再開発は、自由が丘駅前の地権者の皆さんによる『街も変化しなければいけない』というエネルギーで始まったもの。街として次の100年に向かってのスタートを迎えたと思う」と決意を語った。
報道陣から「行政やデベロッパーが主導する再開発事業との違い」を聞かれたヒューリック執行役員・開発事業第一部部長の太田謙さんは「再開発事業そのものが、デベロッパーや行政主導の割合はそれほど多くないと思う」と切り返し、「自由が丘の場合、地元の皆さんの発意でまちづくりを考えるところから始まった。当社の建物(みずほ銀行)も同じ地区にあったことから一緒にやってきた」と説明。「あくまで元々住まわれている方、事業をやっている方たちが主役。我々のような専門的な知識見地を持っている人間がお手伝いをしながら、うまく取りまとめて立ち上げていくのが正しい(再開発の)在り方だと考えている」と同社の再開発に対する姿勢を明らかにした。